Windows 10のサポートがついに終了。10年続いたWindows 10の歴史に終止符が打たれました。とはいえまたWindows 10を使ってる人も多いのでしょうが...
サポートが切れたOSを使い続けるのはセキュリティ面で非常に危険
ということで前回はWindowsではない新しいOSの選択肢として動作の軽快な「Chrome OS Flex」を紹介しました。
しかし、令和の時代、選択肢はそれだけではありません。
それが「Zorin OS」
Chrome OS Flexとはまた別の無料のOSです。こちらもWindows 10のPCを延命させるのになかなかよさげなOSなので紹介します。
もくじ
Zorin OSとは?

Zorin OSは、アイルランドに拠点を置く開発者たちによって開発されているLinuxベースのOS
Windowsユーザーであればなんとなーく使える見た目をしていますね。

多少の不自然さが残る部分もあるものの日本語にも対応。
Chrome OS Flexと同様に無料で使えます。ありがとう。
(より多くの機能があるPro版もありますが、個人利用なら無料版で十分です)
Chrome OS Flexとの決定的な違いは、Zorin OSではLinux向けのソフトウェアを簡単にインストールできるところ。
Windowsほど何でもできるってわけではありませんが、機能の拡張性はZorin OSに軍配があがります。
Zorin OSのインストール方法

Zorin OSのインストールもそこまで難しくはありません。
詳しくは公式サイトをご覧ください。英語だけどね。
カンタンにこっちでも説明しますよ。ジャパニーズで。
1. Zorin OSのダウンロード
公式サイト(https://zorin.com/os/)にアクセスし、無料の「Zorin OS 18 Core」をダウンロードします。
ダウンロード前にメールアドレスの入力を求められますが、「Skip to download」をクリックしてダウンロードに進みましょう。
メールアドレスを入力するとZorin OSに関するメールマガジンを受信できるので、ご興味ある方はどうぞ(たぶん全部英語だけど)
2.インストール用USBの作成
ダウンロードしたISOファイルをUSBメモリに書き込み、「インストール用USB」を作成します。この作業には「balenaEtcher」というツール必要なので
こちらから(https://etcher.balena.io/)ダウンロード
1.balenaEtcherを起動して、「Flash from file」をクリックしてからダウンロードしたISOファイルを選択します。

真ん中の「Select target」をクリックしてZorin OSをインストール用にするUSBメモリを選択します。念のため、このとき他の外付けストレージは外しておきましょう。

一番右側の「Flash」をクリックすれば、インストール用USBの作成が始まります。

Zorin OSのインストール用USBが作成されたら
そのUSBを挿したまま再起動すると、Zorin OSのインストール画面が表示されます。

最初に言語選択ができるので日本語にすれば
あとは画面の指示に従って進めるだけ。迷うことはないでしょう。
インストールが終わるとUSBを抜いてEnterを押せと出るので、そのとおりにすればOK

一つだけよく分かんなかったのがインストール中に出てくるこの画面

「グラフィックスとWi-Fiハードウェアと追加のメディアフォーマットのサードパーティ製ソフトウェアをインストールする」
これは、様々なハードウェアを動かすための追加のドライバーをインストールするかどうかの選択肢です
ってGoogleのAI Geminiに説明されたのですが、具体的にどのハードウェアを動かすためのドライバーなのかよく分かりませんでした。
検証してみたところ、チェックを付けてインストールしても、付けずにインストールしても動作に大きな問題は感じませんでした。
少なくとも個人家庭の用途ではチェックを外してインストールしても問題ないと思います。
チェックをつけるとPCのログインパスワードとは別にSecure Bootのパスワード入力が必要になるため、パスワードを控えておきましょう。
インストール後、もし日本語入力ができない場合は右下の「ja」をクリックして「日本語(Mozc)」を選択すればOK

Zorin OSの動作感と軽快さ

Zorin OSをインストールしたPCのスペックはこちら
LaVie PC-NS100A1W(2015年1月発売)
Celeron 3205U (第5世代CPU)
メモリ 4GB
HDD 500GB→SSD480GB
最初はHDDのままZorin OSをインストールしたのですが、正直快適ではなかったです。「使えない」とは言いませんが
起動まで1分27秒。その後の動作も快適とは言えず...

SSDに交換して再インストールしたところ動作はかなり改善され、起動時間は30秒ほど

それでも文章入力中に一瞬フリーズするなど、少々引っかかりを感じることがありますが、通常使用にはそこまで気になるほどではありません。
動作の軽快さという点では、HDDでも快適に動作したChrome OS Flexのほうが優秀。
Zorin OSはChrome OS Flexよりは「比較的」重いです。「比較的」
ちなみにHDDの状態ですがChrome OS Flexをインストールして起動時間を測ってみると約39秒。起動時間だけで比較するのもアレなのですが、Chrome OS Flexのほうが軽いのは事実です。

Zorin OSもハードウェアのサポートは万全

Zorin OSもPCに搭載されているハードウェアは基本的に使えます。
- USB、HDMI出力、Wi-Fiなどは正常に動作。
- キーボード上のFnキーを使った音量・明るさ変更も可能。

さらに、Chrome OS FlexではうまくいかなかったCDやDVDの読み込みもOK
- 音楽CDはプリインストールされている音楽再生ソフト「Rhythmbox」で再生可能。
- DVDはプリインストールアプリだけでは再生できませんが、「VLCメディアプレイヤー」をインストールすることで再生可能になります。

全てのPCでハードウェアが正常に使えるとは限りませんが、10年以上前のパソコンで普通に動いてくれたので、よほどヘンなPCじゃない限りは動くんじゃないでしょうか。
Linuxアプリをカンタンにインストール可能

Chrome OS Flexとは違い、Zorin OSはLinux用アプリを簡単にインストールできます。
AndroidでいうPlay Storeのような「ソフトウェア」アプリが標準搭載されているので
ここから目当てのアプリを検索・インストールできます。

例えば、「VLC」と検索して「VLCメディアプレイヤー」をインストールすればDVDの再生も可能になります。
また、インターネット上にあるLinux用のアプリもカンタンにできるので
Google ChromeのLinux対応版を公式サイトからダウンロード&インストールすれば
慣れ親しんだブラウザをそのまま使えて非常に便利。

もちろん、Googleアカウントに保存されているブックマークやパスワードも同期できます。
Chrome OS Flexでは対応しなかった動画配信サービスもOK
Chrome OS Flexでは一部の動画配信サービスが使えなかったり、高画質再生ができなかったりする問題がありましたが
Zorin OSでは基本的にWindowsと同じように再生が可能。
AmazonプライムビデオではChrome OS Flexではできなかった高画質再生ができました。
左側が高画質、右側が標準画質のスクショ。右側のほうが輪郭がぼやけているのが分かるかと。

同じくChrome OS Flexでは最初のトップ画面すら開けなかったHuluも
Zorin OSでは開けます。再生できるかどうかは知らんのですが。
全く同じブラウザを使っているはずなのですが、Chrome OS Flexと比べてZorin OSのほうは特に制限なくWindowsと同じように使うことができるようです。
Zorin OSのWindowsアプリは使えるのか?

Zorin OSには、Windows用のアプリを動かすための互換機能「Wine」がプリインストールされています。
要はWindows向けの.exeをZorin OSでも開けるよって話なんですが
やはり互換性には難あり。いくつかのWindows用ソフトで検証しましたが、うまく動きませんでした。

- iTunes:画面が真っ黒になり、正常に動作せず。
- WPS Office:インストール中にエラーが出て、デスクトップ上にアイコンは出るものの起動も不可。
- Notion(Windows用アプリ):起動できず。
あくまで私のパソコンで動かなかったという話なので、他の高性能なPCなら動く可能性もありますが
あまりWindows専用アプリの動作を期待しないほうがよさそう。
「動けばラッキー」くらいの認識でいたほうが幸せかも。
ただ、最近はビデオを見るにしても、音楽を聞くにしても、なにかOfficeの作業をするにしても
ウェブブラウザ上で利用できるため、少なくとも個人家庭での利用であれば、Windows専用アプリが使えなくても大きな問題は感じづらいはず。Notionなんてブラウザで普通に動きますし。
Windows10PCの延命にChrome OS FlexとZorin OS、どちらを選ぶ?

結論、どちらも無料なんだから両方試しなはれやって話なんですが
あえて比較するとすれば
・Chrome OS Flexは機能が限られる分、動作が軽い
・ZorinOSは機能を拡張できる分、動作が「比較的」重い
といった感じです。
今回の検証で使ったPCのように10年以上前のパソコンを延命したいならChrome OS Flexのほうが軽快に使えて幸せでしょうし
CPUがIntel Core iシリーズの6000番台や7000番台のようにギリギリWindows11へのアップグレードに対応しなかったというようなPCであればZorin OSをインストールして拡張性を楽しむというのもアリ
とはいえ、低スペックPCでも「ゆっくり使う」分にはZorin OSでもそこまで問題ないので
特に「DVDを見たい」といったニーズがあれば、Zorin OSを試してみる価値はあるでしょう。
とにかく無料なんで、試してから好きに決めて!!
無料OSでWindows 10 PCを延命させよう

Chrome OS Flexと並んでZorin OSもWindows 10 PC延命の選択肢です。
Chrome OS Flexと比較すればZorin OSのほうが少々重いものの、拡張性を考えれば
試す価値はあるのではないかと。
いづれにしてもPC自体が故障していないのなら、お試しでもこういった無料OSを入れて遊んでみるのがおすすめ。
どうせメルカリに出しても大したお金にならないですし、捨てるとなれば逆にお金をとられるわけで...
無料でできるWindows 10PCの延命処置、試してみては?